NTU、低細胞毒性の芳香族ジアジリン系光開始剤を報告
NTUの研究チームが、水系樹脂への適用と硬化収縮の抑制を狙う芳香族ジアジリン系光開始剤を査読論文で報告した。

出典 南极熊
南洋理工大学シンガポール(NTU)の研究チームは、芳香族ジアジリンを光開始剤として使う研究成果をNPG Asia Materialsに発表した。論文は2026年10月16日公開。研究では、評価した化合物について試験対象のヒト細胞に対する低い細胞毒性を報告し、従来の光開始剤が抱える毒性と水溶性の課題に対する候補として位置付けている。
研究チームによると、複数の化合物は室温で液体かつ水溶性で、水系材料へ混合しやすい。光硬化時に放出する窒素量を調整して硬化収縮を相殺する仕組みも示した。大豆油由来樹脂を使った3Dプリントのマイクロ流路や、手持ちUV光で硬化する水密ガスケットを試作している。
これは材料研究段階の成果で、市販レジンや完成品の包括的な安全性を保証するものではない。未硬化樹脂全体の皮膚安全性、長期曝露、量産時の品質、保存安定性、既存プリンターとの互換性は今回の発表だけでは確認できず、研究チームも工業規模への移行を次の課題としている。
要点
- 査読論文は2026年10月16日にNPG Asia Materialsで公開
- 評価対象は芳香族ジアジリン系光開始剤
- 水溶性化合物と硬化収縮を調整する窒素放出を報告
- 大豆油由来樹脂でマイクロ流路を3Dプリント
補足
水系・生体材料向け光硬化樹脂の選択肢を広げる可能性があるが、市販化には配合全体の安全性と量産条件の検証が必要になる。


