3Dプリント靴が1年半で破断、格子設計と亀裂進展を検証
約1年半で破断した3Dプリント靴をAM Insight Asiaが分析。V字形履き口の応力集中と亀裂停止設計を論点にした単一事例。

AM Insight Asia編集者の江藤知快氏は、約2万6,000円で購入した一体造形の格子構造シューズが、約1年半の使用後にアッパーの履き口から破断した事例を公開した。冬季を除き、おおむね一日おきに履いていたという。靴底と、歩行時に屈曲するつま先側の甲には大きな損傷が見られなかった。
破断はV字形の履き口の頂点からつま先方向へ斜めに進み、格子の谷部をたどっていた。江藤氏は、足を入れる際の力がV字頂点に集中し、亀裂発生後に進展を止める厚肉部などがなかったことから、材料や造形より設計の影響が大きいとの見方を示した。履き口の補強や異なる太さの格子を組み合わせるフェイルセーフ設計を改善案として挙げている。
一方、専門家のコメントには、格子節点での疲労、造形方向による異方性、紫外線劣化など材料・製造要因を指摘する意見もあった。これは製品名やメーカーを伏せた一足の観察事例で、破面解析や比較試験を伴う原因究明ではない。設計原因という結論は筆者の仮説であり、3Dプリント靴全般の耐久性を示すデータではない。
要点
- 購入価格は約2万6,000円
- 使用期間は約1年半
- 冬季を除き約一日おきに使用
- 破断はV字形の履き口から格子の谷部に沿って進展
補足
量産向けAM製品では、初期性能だけでなく、損傷後の亀裂進展と受容可能な寿命を設計要件に含める必要性を示す事例となる。


