ETH Zurich、バクテリアで砂を固める3Dバイオセメント造形を開発
ETH Zurichの研究チームが、生きたバクテリアを含むハイドロゲルを造形し、炭酸カルシウムの析出で砂を固める建築向けバイオセメント技術を開発した。

ETH ZurichのKaren Antorveza Paez氏らは、バクテリアが炭酸カルシウムを析出して砂粒を結合するMICP(微生物誘導炭酸カルシウム析出)を3D造形へ応用した。3DPrint.comが2026年10月20日に報じたもので、使用する菌はSporosarcina pasteurii。アルギン酸とキサンタンを使ったせん断減粘性ハイドロゲルに菌を混ぜて造形する。
造形物を尿素と塩化カルシウムの浴に入れると、カルシウムがアルギン酸を架橋して形状を安定させ、その後バクテリアの代謝によって炭酸カルシウムが析出する。処理には2〜5日かかり、乾燥後は菌が不活性になる。研究チームは造形を建築部材、ロボット噴霧を表面施工向けとして検討している。
これは商用建材の発表ではなく研究成果である。噴霧法では機械特性、層間の結合、安定した堆積が課題として残り、アンモニウム副生成物の回収と塩化カルシウムの安全な取り扱いも必要になる。ETH Zurichによれば、現状はコンクリートよりモルタルに近く、耐久性と荷重支持用途は今後の研究課題だ。
要点
- Sporosarcina pasteuriiを含むアルギン酸・キサンタン系ハイドロゲルを造形。
- 尿素と塩化カルシウムの浴で炭酸カルシウムを析出させ、砂を結合。
- 処理は2〜5日で、乾燥後に菌は不活性化。
- 建築部材向け造形と表面向けロボット噴霧を研究。
補足
低温の生物プロセスで砂を固める手法は建築部材の製造方法を広げる可能性があるが、構造性能、耐久性、副生成物処理、コストの検証が普及の前提になる。


