図面のない船舶用プロペラを3DスキャンとWAAMで再製造
ドバイのJOME Engineeringが、CADデータのない船舶用プロペラを3Dスキャンし、Caracolのロボット式WAAM装置でSS316L製の交換部品として再製造した。

3D Printing Industryによると、JOME Engineeringは既存プロペラの3Dスキャンからデジタルモデルを作り、Caracolのロボット式WAAM装置「Vipra AM XP」で交換品を製造した。完成品はSS316L製で、直径685mm、重量26kg。金型や元のCADデータは使われていない。
工程では中央ボスを先に造形・機械加工し、浸透探傷検査を実施した後、3枚のブレードを積層した。積層は約20時間、機械加工は約100時間で、各段階後の再スキャン、研削、ピッチ確認、バランス調整も行われた。今回の事例では、積層よりも後加工と検査が工数の中心になっている。
Caracolは、鋳造と比べてリードタイムを約60%、費用を約40%削減したと主張している。これはメーカー側の説明で、独立した費用検証は示されていない。一方、スキャンから作成したデジタルデータを次回の交換に再利用できる点は、図面の残っていない船舶部品の保守における実務的な利点だ。
要点
- 材質はSS316L、完成重量26kg、直径685mm。
- CaracolのVipra AM XPを使用し、積層約20時間、機械加工約100時間。
- 元のCADデータや金型がなく、既存部品の3Dスキャンから製造データを作成。
- 約60%の納期短縮と約40%の費用削減はCaracolの主張。
補足
3DスキャンとWAAMの組み合わせは、図面や金型が失われた大型の単品補修部品に有効だが、機械加工・検査・バランス調整まで含む工程設計が採否を左右する。


